일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면

아오조라 문고

母子は何よりも先ずこれを恐れていた。

そうなれば殿様ばかりでない。綾衣の為にもならないのは知れている。ひいては自分たちも迷惑を被るに相違ない。それとこれとを考え合わせると、不人情のようではあるが、お時はどうかして綾衣を遠ざけたいように思った。さりとてほかに行く所のないのは判っているので、彼女は綾衣にむかって、いっそ廓へ帰るようにそれとなく意見したこともあった。

殿様を大事と思うならば、どうか廓へ帰ってくれと、お時もしまいには打ち明けて言った。遅かれ速かれこの事が露顕したら、殿様の御身分にもかかわる、五百石のお家にも瑕が付く、そこを察してくれと、彼女は涙を流して口説いたが、綾衣は肯こうともしなかった。

なるほどお前の心では五百石のお家が大切でもあろうが、くるわに育った自分の眼から見れば、五百石や千石はおはぐろ溝へ流す白粉の水も同じことである。百万石でも買われないのは廓の女の誠ではないか。それほど尊い女の誠を五百石で買ったと思えば廉いもので、ちっとも惜しいことはあるまいと、彼女は誇り顔に言い放してお時を驚かした。

綾衣はまたこうも言った。

殿様がこうなったのは無論わたしの為であるが、わたしがこうなったのもまた殿様の為である。