후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
女中は兵庫屋へ報せに行った。
二階には手炙火鉢が運ばれた。吸物椀や硯蓋のたぐいも運び出された。冬の西日が窓に明るいので女房は屏風を立て廻してくれた。次郎左衛門のうしろの床の間には、細い軸物の下に水仙の一輪挿しが据えてあった。二人は女房や女中の酌で酒を飲んでいた。
そのうちに女房はこんなことを言った。
「八橋さんの花魁は、大尽がお越しになったのでさぞお喜びでござりましょう。そう申してはいかがですが、花魁もことしの暮れはちと手詰まりの御様子でしてね」
「可哀そうに……。たんと金がいるのかね」と、次郎左衛門が訊いた。
「さあ、どんなものでござりましょうか。わたくし共も詳しいことは存じませんが、なんでも浮橋さんからそんな話がござりました」
浮橋というのは八橋の振袖新造で、治六の相方であった。
「そうか。おい、治六。貴様どうかしてやれよ」と、次郎左衛門は笑った。
治六はにっこりともしないで、黙って酒を飲んでいた。
そうでなくても、主人は金を遣いたがっているところへ、花魁が手詰まりだなどという噂を聞かされては堪まったものではない。治六はもう逃げて帰りたくなった。
女中の迎いを受けて浮橋がさきへ来た。