일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면

아오조라 문고

栄之丞が堀田原から帰った時には冬の日はもう暮れていた。妹のお光の給仕で夕飯を食ってしまうと、高い空には青ざめた冷たい星が二つ三つ光って、ここらの武家屋敷も寺も百姓家も、みんな冬の夜の暗闇の底に沈んでしまった。遠い百姓家に火の影がちらちらと揺らいで、餅を搗く音が微かに調子を取って響くほかには、ここらに春を待っている人もありそうにも思われない程に、ひっそりと静まり返っていた。栄之丞の兄妹も春を待っている人ではなかった。

「今も言うような訳だが、どうだ、その家へ奉公に行って見ては……」と、栄之丞はうす暗い行燈の下にうつ向いている妹に優しく言った。

彼が堀田原の知りびとをきょう訪ねたのも、その用向きであった。妹のお光ももう明ければ十八になる。年頃の娘を浪々の兄の手もとにおいて、世帯やつれをさせるのも可哀そうだと思って、彼は妹のために然るべき奉公口を探していた。なるべく武家奉公をと望んでいたのであるが、どうも思わしい口が見つからなかった。しかし町家ならば相当の口があると、その人が親切に言ってくれた。町人といっても、人形町の三河屋という大きい金物問屋で、そこのお内儀さんがとかく病身のために橋場の寮に出養生をしている。