일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면

아오조라 문고

川面には薄い靄が流れて、列び茶屋にはもうちらちらと提灯の火が揺らめいて見えた。その華やかな灯のなかに、今夜はお里を見いだすことが出来ないのだと思うと、彼の足は神田の方へむかってますます急がれた。

酒屋の路地へはいって、格子の前に立つと、入口の障子は半ば開かれて、線香の匂いが狭い沓脱にまで溢れていた。ここはもう薬の匂いではなかったので、林之助は急に暗い心持ちになった。

案内を乞うと、女の児が出て来た。それはこの間の晩に使いを頼んだ隣りの娘らしかった。

内へあがると、やはり近所の人らしいおかみさんや娘が四、五人ごたごた坐っていて、逆さに立てまわした古い屏風のかげからは線香の煙りがうず巻いて流れていた。その屏風のそばに蒼い顔のお里がしょんぼりと坐っていたが、彼女は島田をほどいて銀杏返しに結い替えているので、林之助はちょっとその顔が判らないほどに寂しく見えた。

ひる前には隣りのおかみさんが話しに来た。その時までは阿母も別に変った様子もなかった。胸が少しせつないようだと言っていたが、やはりいつものように火鉢の前で襤褸とじくりなどをしていた。ひる飯を食ってしまって、台所へ茶碗小鉢を洗いに出ると、彼女はだしぬけに倒れた。