후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
それを察して一緒に殺してくれと、彼女は男の膝の前に身を投げ出して泣いた。
半九郎も女の心を哀れに思った。彼も惨らしいお染のからだを濁り江の暗い底に長く沈めて置きたくないので、重代の刀を手放しても、彼女を救いあげて親許へ送り帰してやりたいと思っていた。その志は空になって、しかもその刀で人を殺すような破滅に陥った。こうなるからはいっそのこと、女を殺すのは却って女を救うので、いわゆる慈悲の殺生であるかも知れないと考えた。
そう思って、彼は自分の前に俯伏している若い女の細く白いうなじを今更のようにじっと眺めた。ふさふさと黒く光った美しい髪の毛を見つめた。今まで彼女を愛していたとはまた一種違った温かい感情が彼の胸にだんだん漲って来て、総身の若い血潮が燃えあがるようにも感じられた。
半九郎がお染に対して、こうした不思議な感じを覚えたのは実に今夜が初めてであった。今夜の半九郎の眼に映ったお染は、遊女のお染ではなかった。清いおとめのお染であった。武士の妻としても恥かしからぬ一人の清いおとめであった。半九郎は言い知れない幸福を感じた。
「お前の心はよく判った。もう泣くな」