후리가나로 읽는 일본 고전
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らどうせんせい
潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集(らどうせんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,093자 · 33화면
と云うのは、真弓のする役は、たとえば美人の胴切りとか、首無し美人とか、魔法のトランクとか云うようなものへ使われる場合には黙ってニコニコしていれば済むようなものゝ、その外に又、歌劇の方やバレエの方へも出ることがある。そうしてそう云う場合にはいつも必ず無言の役ばかりしている。最初先生は、此の女は顔は綺麗だがセリフも碌々云えない程の馬鹿なんだろうと思った。しかしそれにしても一と言も云わないのは餘り変だから、次には唖ではないかと思った。が、どうも唖でもないらしい。と云うのは、歌劇の時にソロを唄うことはないけれども、コーラス・ガールに加わって合唱することはあるのである。それも口だけを動かしているのではないかと思って、いろ/\苦心して、成るたけ前の方の席へ行って探ってみたが、ちゃんと彼女が肉声を発して唄っているのが聞き分けられた。ところが或る時、たった一度彼女が舞台で長セリフを云う役に扮したことがあった。それは鼻がふがふがになった汚い乞食婆さんになったので、頬冠りをして思い切り垢だらけになって出て来た。だからそれが真弓であることを観破したのは恐らく先生一人ぐらいで、大概のお客はそうとは気づかずに、その乞食が一と言云う毎にアッハ、アッハ笑い転げた。