후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
」
また一頻り黙った刻がつづいたが、町にはいるには惜しいくらいの愉しさを、きゅうに言葉でそれを表わさなければならぬものが感じられた。おなじ思いは筒井の心にもあった。ふたたび来ないような愉しさをここで別れるには惜しかった。
「此宵の宮詣りは一生を通じて詣って来たようなものだ。お身と我らの倖せをことほぐためにも宜かった。」
「筒井も心はればれしく斯様な嬉しいことは今までに覚えませぬ。それにあの美しい蛍はよいおくりものでございました。」
「我ら蛍を忘れてはならぬ。そなたの爪もいまに蛍のように美しくともれることであろう。」
貞時はそういって筒井の爪が、どうかして光に勾配を見るときに蛍のような光を見せることに、思い至った。それだけを見とどけただけでも、この宵は愉しい一つの物語のようにひろがって振りかえられた。
三年めの正月が近づき、香料を袋に入れた薬玉が五色の糸で飾られ、柱から美しい造花にまもられて垂れた。元旦の宴には屠蘇、干鮑貝、干海鼠、丸餅の味噌汁などが、それぞれに用意され、祝日に忙しい歳暮が筒井の眼の前にあった。ことに今年の元旦はいつもより賑やかにも豊かな酒肴が、筒井のためにも心配られた。