후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
玉章
故郷にて保則様、十一月二十三日の御他界から百日の間、都に通じる松並木の道を毎夜参りますうちに、冬は過ぎ春がおとずれ、いまでは、もう、松の花の気はいがするようになりました。御身さまも、なぜ、わたくしがかくも寥しい松並木の道をおとずれるかについて、きっと、奇異な思いを抱かせられることと思いますが、それをあからさまに申し上げれば、ただ紀介様にお目もじしたいばかりの夜歩きに違いないと申す外はございません。お亡くなりになられた方にお目にかかるということは変な言葉のようにきこえますけれどそれは何時も都からお越しの折に、あれらの松並木の道をおとおりになっていたということだけで、わたくしには生きた思いがいたして来るのでございます。かつての紀介様のお踏みになった土地や、お目にとまった松並木の松の木や、土手や、小さい丘や、涼しい蔭なぞには、過ぎた日の紀介様のお眼がありありとみひらかれて映ってまいります。あそこまで参れば、わたくしの耳は紀介様のお声をきくことが出来まするし、ご機嫌好かった日のお笑いごえを耳に入れることもできます。わたくしの耳は松並木にまいれば、ひとりでに赧らみ、しずかに物声にきき入ろうとする用意をするようになりました。