후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
つい、三日前の朝、経之は裏の井のほとりに衣裳が打ちかけられて干されてあるのを見た。それは、はぎ野の衣裳で、夜着るものらしかったが、裾には一様に引かれた泥のにじみが、氷をやぶってわたったらしく、水気をふくんでいた。はたしてはぎ野の衣裳かどうかを、その翌晩に衣裳がえをしているのを見ると、やはりそうかと思った。庭わたりをするなら、定明のやかたに行くよりほかはなかったのだ。
経之は仕えの者がやすみ、夜のあかりがほそぼそとかよう下のわたどの方に、枕耳を立ててやすんでいた。庭は蔀のあきから見られ、音はどこからも聞き入られるほど、館の中は寝しずまっていた。ちょうど、経之が枕をかえそうとしたとき、下のつま戸がすうと息を引くような音をたてて引かれた。そして次にはまた同じい息を引くように、つま戸がしめられた。
経之は起きあがった。蔀のあいまに、はぎ野が庭に出ようとし、裾をからげ、髪を胸前に垂らしながら立っている姿を見出した。あれほど多い仕え女の間を抜け出すことの困難さを、あぶらをながすように辷り出したはぎ野の大胆さは、図抜けた庭わたりだった。母の許しのあったはぎ野とのあいだも、他の仕え女を出代りさせたうえ、同じ武家の姫となぞらえて迎えるような手筈は、とうに、はぎ野は知っているはずだった、母からの衣裳や髪化粧の具、袿や襲の数々