후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
筒井はそれを携えた御娘子に辞退して、押しやって勿体ながった。
「わたくしはただの仕えのものでございます故、これだけはお受けできませぬ。」
生れてはじめて見る美しくまばゆい初春の衣裳であった。
「いいえ、これは父上と兄上がお見立てであそばしたもの、正月には着てたもるように。」
それはもう断れない身丈もきめて作られた衣裳だった。
元旦の朝の餉には、筒井は主人といっしょの座にあてがわれ、ひじき、くろ豆、塩した鯛、雑煮、しかも、廻って来た屠蘇の上の盃は最後に筒井の膳に来て、彼女はこういう家族の待遇に心ときめきながら、優しく盃を受けなければならなかった。しかも穏やかな微風すらない元旦は暖かいほど、庭一面に日があたり、不意に大きな翼の音がして一羽の大鳥がさッと庭ぞらを掠めて渡って行った。
「あ、鶴じゃ。」
主人は盃を持ったまま簀の子に出、青年も娘も出て行った。真白な大鶴がななめに中の島をよぎり、低く庭の上をすぎて行った。筒井はそのまま腰をまげてかがみ、かがんだときに微かではあったが、大きないかにも温かそうな白い鶴のうしろの翼を見受けたのであった。
みな座にもどった時に誰の胸にも、筒井が坐ったまま謙遜に鶴を見送っていた落着きをこよない静かさに感じていた。