후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうしつき
狼疾記
中島 敦의 狼疾記(ろうしつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,540자 · 47화면
料理を卓に置いて給仕が立去った時、二つ卓を隔てた向うに一人の男の食事をしているのが目に入った。その男の(彼は此方に左の横顔を見せていた。)頸のつけねの所に奇妙な赤っちゃけた色のものが盛上っている。余りに大きく、また余りに逞しく光っているので、最初は錯覚かとよく見定めて見たが、確かに、それは大きな瘤に違いなかった。テラテラ光った拳大の肉塊が襟と耳との間に盛上っている。この男の横顔や首のあたりの・赤黒く汚れて毛穴の見える皮膚とは、まるで違って、洗い立ての熟したトマトの皮のように張切った銅赤色の光である。この男の意志を蹂躪し、彼からは全然独立した・意地の悪い存在のように、その濃紺の背広の襟と短く刈込んだ粗い頭髪との間に蟠踞した肉塊――宿主の眠っている時でも、それだけは秘かに目覚めて哂っているような・醜い執拗な寄生者の姿が、何かしら三造に、希臘悲劇に出て来る意地の悪い神々のことを考えさせた。こういう時、彼はいつも、会体の知れない不快と不安とを以て、人間の自由意志の働き得る範囲の狭さ(あるいは無さ)を思わない訳に行かない。俺たちは、俺たちの意志でない或る何か訳の分らぬもののために生れて来る。