후리가나로 읽는 일본 고전
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
宮本 百合子의 獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 230,599자 · 458화면
仏様はきっと臆病ではないでしょうね。しかし、現実の糸のもちてはまことに兢々たるものですから。一縷の糸に一度シャッキリ鋏が入れられでもすると、もう糸を切られたと絶望して、もっていた手を諦めてはなしてしまいますから。その糸をいかに巧にかしこく手ぐるかというところに蜘蛛の智慧がひそむわけです。蜘蛛は、アナキネという乙女の化身ですって。アナキネは大変織物が上手で、その美しい織物の技術に、或るギリシャの神が魅せられたのを、その男神の恋人が嫉妬して呪詛で蜘蛛にしてしまったのですって。可哀そうね。
具体的ないろいろのことが大変複雑でむずかしいので全く閉口です。毎日そのことを研究中です。只今のところ名案皆無です。秋ごろから予定どおり出版企画が実現するとすれば、出版種目は急を要するもの――科学、工業、軍事だけが先になって、文化の方はずっと割合が低下するでしょう。そして、もし今云われているように初版が一千部ときまって、再版は許可制となるとすれば、許可制の内容は文部省のスイセン図書をみてよくわかりますから、それも極めて小範囲となるでしょう。どんな本やも、特別な文学物の店をのぞいては再版の可能なものの方を選ぶわけですから、その面からも一般に大変落付きを失っているわけです。