후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
御奉公の暇々にはたずねて参られい」
思いのほかに叔父の機嫌が直ったので、そばに聴いている兼輔もほっとした。彼はこれほどの才女を叔父に紹介したということに就いて一種の誇りを覚えた。それと同時に、日ごろ頑固な叔父の鼻を捻じ折ったような一種の愉快をも感じた。彼は口の上の薄い髭を撫でながらほくそえんだ。
「叔父上、今からはこのみ寺にも女人禁制の掟が解かれましょうな」
「それは人による」と、阿闍梨もほほえんだ。「これほどの女人がほかにあろうか」
言いかけて、彼は玉藻と眼をみあわせると、血の枯れた老僧の指先はおのずとふるえて、数珠はさらさらと音するばかりに揺れた。玉藻の顔色にばかり眼をつけていた兼輔はそれに気がつかないらしかった。
「では、かさねて参ります。かならずお逢いくだりませ」
又の日を約束して、玉藻は阿闍梨の前を退がった。兼輔も一緒に立った。阿闍梨は縁まで出ていつまでも見送っていたが、枯木のような彼は急に若やいだ心持になって、総身の血汐が沸くように感じられた。彼は燃えるような眼をあげて夢ごころに陰った空を仰いでいると、なま暖かい春風が法衣をそよそよと吹いた。