후리가나로 읽는 일본 고전
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 痴人の愛(ちじんのあい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 179,399자 · 353화면
ナオミはそう云って、擽ぐったそうに私の顔を覗き込んで、
「だけど譲治さん、ほんとうにただの友達よ」
「ああ、勿論さ」
「イヤらしいことなんか、もうお互に考えないのよ」
「分っているとも。―――それでなけりゃ己も困るよ」
「ふん」
と云って、ナオミは例の鼻の先で笑いました。
こんな事があってから後、彼女はますます足繁く出入するようになりました。夕方会社から帰って来ると、
「譲治さん」
と、いきなり彼女が燕のように飛び込んで来て、
「今夜晩飯を御馳走しない? 友達ならばそのくらいの事はしてもいいでしょ」
と、西洋料理を奢らせて、たらふく喰べて帰ったり、そうかと思うと雨の降る晩に遅くやって来て、寝室の戸をトントンと叩いて、
「今晩は、もう寝ちまったの?―――寝ちまったらば起きないでもいいわ。あたし今夜は泊る積りでやって来たのよ」
と、勝手に隣りの部屋へ這入って、床を敷いて寝てしまったり、或る時などは朝起きて見ると、彼女がちゃんと泊り込んでいて、ぐうぐう眠っていたりすることもありました。そして彼女は二た言目には、「友達だから仕方がないわよ」と云うのでした。
私はその時分、彼女をつくづく天稟の淫婦であると感じたことがありましたが、それはどう云う点かと云うと、彼女はもともと多情な性質で、多くの男に肌を見せるのを屁とも思わない女でありながら、それだけ