후리가나로 읽는 일본 고전
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ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
山本 周五郎의 百足ちがい(ひゃくあしちがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,491자 · 56화면
一
一
江戸の上邸へ着任した秋成又四郎は、その当座かなり迷惑なおもいをさせられた。
用もないのにいろいろな人が話しかける。役部屋にいると覗きに来る者がある。御殿の出仕にも退出にも、歩いていると通りすがりの者が、すれちがいざま同伴者に、
「あれだあれだ、あれだよ、百足ちがい」
などと囁く。するとその同伴者が、
「あれかい、へえ、そうかい、あんな男が」
などというのが聞えるのである。
また彼は勘調所出仕であるが、それとはまったく関係のない役所の、奉行とか、元締とか、頭取などという人たちによく呼ばれた。べっして用事があるわけではない、見るような見ないような、さりげない妙な眼つきでこちらを眺めまわし、
「国許のほうはどういうぐあいのものか、そこは種々となにもあるだろうが、自分もいちどはいってみたいと思うが、どんなものか」
まるで愚にもつかないような質問をして、それからなにやら一家言めいたことを述べて、ではまた、などというのが終りであった。
勘調所は老職総務部に属し、政治の監査と、藩主の諮問機関を兼ねている。又四郎はその記録係の責任者であるが、五人いる下僚たちからも、当分のあいだ悩まされた。