일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こうせんぜんじのことども

禅堂生活

鈴木 大拙

鈴木 大拙의 禅堂生活(こうせんぜんじのことども)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,634자 · 57화면

아오조라 문고

何と云う垂示があったかは少しも覚えておらぬが、当時の光景は依然として脳底に印せられてある。今でも隠寮へ行くと懐旧の情が涌いて来る。人間相互の関係と云うものは妙な具合で、何とも気のつかぬ処で感化して行く。蒼龍窟には一夏と一冬だけしか御厄介にならなんだが――それとも二夏であったか知らん――、何時も少なからぬ感化を受けたと思うておる。

これは冬の朝であったか知らん、老師はあの狭い三畳か二畳の室へ引き込んで書見をしておられた。わしらは狭い縁側で三拝して、またその縁側から参禅するのであった。参禅中だったか、参禅しようとしたときであったか、何れか忘れたが、老師は一寸待てと云われて、直ぐ向うの便所へ行かれた。暫らくすると、どさんと音がして、何だか侍者を呼ばるるようであったから、大にびっくりして侍者寮へ駆けて来て、その旨を報ずると、侍者はやって来た。が、老師は自分で何とか出来たと見えて、便所を出て、またもとの机の処へ坐られた。老師は老体でその関節が自由にならぬ処へ、肥えておられた故、便所で尻餅をつかれたらしかった。その時の話をせらるる様子が、また一種云うに云われぬ妙趣――と云うのは不適当であるが、一寸外によい言葉を思い出さぬ故、まず妙趣――、それがあって、如何にもわしの心を動かした。