후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
また、年下の日野蔵人俊基にも、こんな一話が、巷間に伝わっていた。
彼が、検非違使の前職にあった頃とか。
遍照寺の僧が、近くの広沢の池に遊んでいる雁の群に、よく餌をやっていた。
鳥を愛するのかと思うと、そうでなく、折々、庫裡で鳥を煮る匂いがする。鳥肉が食いたくなると、坊主は餌で釣って、堂内に雁をおびき入れ、急に戸を閉めて、羽バタキ荒々と啼き騒ぐ中で、これを何十羽となく叩き殺す。
村民の訴えで知った俊基は、ただちに、坊主どもを搦め捕り、坊主たちの頸に、雁や水鳥の骸を懸けさせて、市中引廻しに処した、というのである。破戒、無慈悲な僧どもは、人中でさんざんな目に遭ったという。
この日野俊基、まえの資朝。いずれも、従来の古い公卿型ではない。そんな行為のうちにも、革命者たるの素質がすでに窺われる。
いや、現朝廷に仕える若い朝臣のあいだには、およそ現代の公卿気質ともいえるほどな、おなじ鋭気をもった青壮年が多く見られた。――日野資朝、俊基の双輪は、いわばその代表的な者だったといってよい。
簾をたれ籠めた水鳥亭の欄にいつか夕陽が翳り出す。
この日の“文談会”は、ほとんど日野俊基の木曾、北陸、東国にわたる旅の報告で終始した。