후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(五)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 252,330자 · 505화면
野の野伏すらみな知っている六波羅の変を、また、天皇上皇の御落去を、そこの佐々木道誉が耳にしてないはずはよもなかろう。そしてもし道誉が、いぜん、鎌倉方に忠誠をもつものならば、援けを求められないでも、われから馬にムチ打って、みかどのおん輿を迎えに出て来るはずではないか。――この敗残の探題軍の難を、ただながめていられるはずのものではない。
第一、かかる万一の日のために、その道誉は、かねて執権高時の厚い信任をうけて、この近江の要害に、たのみある者として、おかれたものではなかったか。
それが、どうだ?
伊吹からは一兵の援けも来ない。この期となってもなお見えない。夜明け前にやった使いの反応もさらにない。伊吹の空は、つんぼのような太陽にかんと澄み、伊吹山は、白い雲に、顔をかくしているだけである。
仲時が絶望を感じたのはそれひとつでなく。――恃みと待っていた六角時信が、姿をみせず、愛知川から逆に京へ引っ返してしまったというのも、あるいは、道誉のさしがねではなかろうかと、気がついたことだった。――元々、六角は佐々木の同族だし、その領地も隣し、道誉の下風につかねばならぬ家柄でもある。