후리가나로 읽는 일본 고전
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あさまさんろく
空にむかひて 若杉鳥子随筆集
若杉 鳥子
若杉 鳥子의 空にむかひて 若杉鳥子随筆集(あさまさんろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,542자 · 14화면
少しでも薄暮の光のあるうちに、目的地まで辿り着こうと私は焦った。然し一度来たことのある山路なので、あまり迷いもせずにやっとめざす、その旅宿の灯を見つけることができた。
七月もまだ初旬なので、泊まり客は僅かしかいなかったが、前に来た時には田舎のお盆で、庭に盆踊りがあるとかで、一つも空いている室がなかった。宿屋といってもこの辺には此処一軒きりないので、時間はもう夜の九時だし、今さら東京へ発つにも発てず、その時程、私は困ったことはなかった。「何処か寝かしてだけ貰うところはありますまいか」「さあ何処も一杯です」「物置の隅でもかまわないんですが」私はこんな押し問答をしながら宿屋の土間に突っ立っていた。するともう一人私の背後に女の人がいて「何処かに割り込まして貰うことはできますまいか」といっていた。「さあ困りましたね、大抵男の客ばかりですからね」と宿屋でいった。「男の人の傍でもかまいませんから」こちらは女二人になったことを気強く意識して交渉し出した。とうとうその混雑の中へ泊まることができた。
その晩二人は旅装を解いて、お湯の中で色々と話しあった、女子大学出の、インテリらしい快活な女性だった。