후리가나로 읽는 일본 고전
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
火野 葦平의 糞尿譚(ふんにょうたん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,974자 · 99화면
飯台の上に筋を引いて、黒い駒をあっちに動かし、こっちに飛ばしている。まだ、出んのか、早う行ってくれねば困るじゃないか、今日はどうしても山手小学校と海員児童ホームだけは取っておかねばいかん、もう出たかと思って居ったのに、どもならんじゃないか、と不足がましく彦太郎が云うと、今日は雨てすから、ためてす、と振りむきもせず答えた。雨は降りはせん、いや、少し位降っても今日は是非取っとかにゃいかん、すぐ出てくれ、とせき立てたが、返事もせず、悠然と左手で長髯をしごき、立ち上る気色もなかった。むかついて来るのを押え、なあ出てくれよ、と彦太郎が機嫌をとるように云うと、ようやく振り返って、旦那さん、わしはこの仕事やめようかと思うて居るてす、と云った。彦太郎はおどろいて、どうしたのだ、何かわけでもあるのか、と訊いた。別にわけということはないてすが、こんな汚ない仕事して、あんまりお金安いてすから、と云い捨て、李聖学はまた将棋の方に眼をやって、駒を一つ動かした。最近、世間は多少景気を持ちなおして、人夫の不足を来す傾向を示し出したので、労働者は何処に行っても一日相当の賃銀になるのであった。