후리가나로 읽는 일본 고전
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면
わが家へ急ぎ、番傘を雨がはげしくたたく音を聞きながら、
(親方の家が、はじめて、家庭らしゅうなったわい)
微笑のわく思いで、そんなことを考えていた。そしてそれは、やがて、自分たちにも子供が出来る、その日のことを思う、不思議に楽しい感慨に、一直線に続いていた。
翌朝、「飛鳥」の仕込みの娘が、森新之助の手紙を持って来た。仲直りの日取り通知状である。金五郎をはじめ、小方連中は、仕事に出て、留守だった。
マンが、受けとった。
「女髪結い処」という看板のうえで、黄色い蝶と、白い蝶とが、さっきから、二匹、しきりに戯れている。もつれあいながら、舞いあがり、くるくる廻り、また下って来る。看板の上部と、軒場の桶との間には、大きな蜘蛛が巣をかけて、獲物のかかるのを待っている。二匹の蝶は、なんの警戒心もなく、無我の境で戯れているうち、ときどき、網の線に触れる。中心にうずくまっている蜘蛛が、その都度、走りだしそうにするが、蝶が網に引っかかりはしないので、あきらめたように、いまいましげな様子で引っかえす。
「あの蝶々、危いわねえ」
お京は、さっきから、気にかかってならないらしく、独り言のように、呟いた。