후리가나로 읽는 일본 고전
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면
二階で、将棋をさしたり、花札を繰ったり、酒を飲んだりして、賑やかに騒いでいた子分連中も、いつか、静かになっている。
(もう、帰る時分やわ)
と、思っていると、表の格子戸が、開く音がした。
「ただ今」
「六ゾロの源」の声である。しかし、いつもとちがって、その声には元気がない。
マンは、弓張提灯を持って、玄関に出た。源十と時次郎。あまり酔ってもいず、妙に遠慮勝ちな様子で、もじもじしている。提灯の光を、まぶしそうにする。
「御苦労さん、無事にすんだのね。……さあ、おあがり。お酒の燗が、つけてありますよ」
「もう、沢山。向こうで、いやというほど、よばれて来たけ」
「そんなことでは、鱶の源さんが酔うとるとは、いえんじゃろ? 口なおしに、時やんと、一杯、やんなさいよ。肴に、イイダコが買うてあるわ」
「いんや、もう、寝る。きつい。くたぶれた」
「時やんも?」
「うん」
二人は、しめしあわせて来たかのように、こそこそと、しかし、大急ぎで、二階に上ってしまった。二人は、帰って来たとき、マンから、「オヤジと一緒じゃなかったの?」と訊ねられることが一番怖かったのであるが、当然あると予期したその質問がなかったので、やれやれ、と思ったのであった。