후리가나로 읽는 일본 고전
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
山本 周五郎의 花も刀も(はなもかたなも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,364자 · 178화면
幹太郎は二度、三度、声をあげて呼んだ。すぐ右手にある帳場にも人のいるようすはなく、どこかで、はたきをかける音が聞えた。
「もっと、大きな声じゃなければだめよ」
お豊がそう云い、自分で大きく叫んだ。
すると向うの階段の上で答える声がし、ばたばたと人がおりて来た。お千代という若い女中で、幹太郎を見ると、
「まあしばらく」とにこにこ笑った。しかし、幹太郎が「あがってもいいか」と訊くと、突然なにか思いだしたようすで「いま、お杉ねえさんを呼んで来ます」と云い、はたきを持ったまま、ばたばたと奥へ走っていった。
「あんた大丈夫なの」
と、お豊が囁いた。
幸坊も不安そうに、片手でお豊の袂を掴みながら、あたりを眺めまわした。おそらく女あるじと相談でもしていたのだろう、ややしばらくして女中頭のお杉が出て来た。
「いらっしゃいまし、しばらくでございますね」
お杉は挨拶をしながら、無遠慮に幹太郎のみなりを見、それからお豊と幸坊を見た。
――おれのことを聞いたな。
淵辺道場から放逐されたことを聞いているに違いない、幹太郎は屈辱で躯がふるえた。かつて「こんどお一人でいらっしゃいな」