후리가나로 읽는 일본 고전
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はなさかぬリラ
花咲かぬリラ
山本 周五郎
山本 周五郎의 花咲かぬリラ(はなさかぬリラ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,378자 · 36화면
三方板壁で、幼児キリストを抱いた聖母の画像を掲げたほかには、なんの飾付けもないがらんとした室である、まん中に大きな長方形のテーブルがあり、それを囲んで荒削りの木で造った椅子が七つ置いてあった。……彼は窓の側へいって外を見た、抑えようのない感動が胸へこみあげてくる、とうとう逢えるということが、その事実を前にしてかえってふしぎな僥倖のような気がするのだ。召されて南方へゆく船の中でも、戦場の地下壕の中で烈しい爆撃を受けているときでも、そして終戦となって帰還する途中も、「生きているだろうか」「もう二度と逢えないのではなかろうか」そういう疑問に苦しめられた。麻布の家で無事だということを知ってからも、ここへこぎつけるまでの再転三転は、物に動じない彼にとってさえかなりな心の負担であった。それがいよいよ逢える、その人はもうそこにいるのだ、この同じ建物の中にいて、おそらくはすでに彼の来たことを知らされたに違いない。そうだ、もうすぐ彼女はここへ来るんだ、……来太は昂ぶってくる感情を押ししずめるように深く息をついた。
そのとき扉が明いた。来太は弾かれたように身を振り向けた、さっきの尼僧に導かれて、見慣れない修道服を着た富美子が入って来た。