후리가나로 읽는 일본 고전
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はなさかぬリラ
花咲かぬリラ
山本 周五郎
山本 周五郎의 花咲かぬリラ(はなさかぬリラ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,378자 · 36화면
富美子は顔もあげず身動きもしなかった、来太は「時間がないんだ、早くしたまえ」と云い、床の上から自分の鞄を取った。しかしまだ富美子は動こうとしない、……とそのとき、来太の後ろの窓から、「いつまで問答を続けるのかね」という声がした。来太が振り返ると、窓の外に杉浦氏が来て立っていた。その後ろにはさっきの作男の姿もみえる。
「君の説はここで聞いたよ」と、杉浦氏は癇の強そうな顔に微笑も浮かべずそう云った、「……それ以上なにも云うことはあるまい、君はけさわしの家へずかずか踏み込んで来たが、どうして今あの手を使わんのかね」
来太は大股に窓へゆき、
「黙っていてください、僕のことは僕がやります」そう云いざま手荒く窓を閉めた。そのとき初めて、杉浦氏の半ば白い口髭がゆがみ、わずかに微笑のゆらめいたことを来太は知らなかった。彼はふたたびテーブルの前へ戻った。
「出かけるんだ、そのかぶっている物を脱ぎたまえ」圧倒するような声だった。
「脱ぎたまえ」
「…………」富美子はたゆたいつつ被衣を脱いだ。そしてしずかに面をあげた、唇がふるえ、眼にはいっぱい泪がたまっていた。
「汽車の時間がある、幸いお父様が来ていらっしゃるから手続きや荷物のことをお願いしよう、それでいいね」