일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あぢさい

花火・来訪者 他十一篇

永井 荷風

永井 荷風의 花火・来訪者 他十一篇(あぢさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,046자 · 104화면

아오조라 문고

ここまで高く上って見ると、東京の市街も下に居て見るほどに汚らしくはない。十月頃の日本晴れの空の下にでも、一望尽る処なき瓦屋根の海を見れば、矢鱈に突立っている電柱の丸太の浅間しさに呆れながら、兎に角東京は大きな都会であるという事を感じ得る。

人家の屋根の上をば山手線の電車が通る。それを越して霞ヶ関、日比谷、丸の内を見晴す景色と、芝公園の森に対して品川湾の一部を眺めるのと、また眼の下の汐留の堀割から引続いて、お浜御殿の深い木立と城門の白壁を望む景色とは、季節や時間の具合によっては、随分見飽きないほどに美しい事がある。

遠くの眺望から眼を転じて、直ぐ真下の街を見下すと、銀座の表通りと並行して、幾筋かの裏町は高さの揃った屋根と屋根との間を真直に貫き走っている。どの家にも必ず付いている物干台が、小さな菓子折でも並べた様に見え、干してある赤い布や並べた鉢物の緑りが、光線の軟な薄曇の昼過ぎなどには、汚れた屋根と壁との間に驚くほど鮮かな色彩を輝かす。物干台から家の中に這入るべき窓の障子が開いている折には、自分は自由に二階の座敷では人が何をしているかを見透す。女が肩肌抜ぎで化粧をしている様やら、狭い勝手口の溝板の上で行水を使っているさままでを、すっかり見下して仕舞う事がある。