후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
月島の埋立工事が出来上ると共に、築地の海岸からは新に曳船の渡しが出来た。向島には人の知る竹屋の渡しがあり、橋場には橋場の渡しがある。本所の竪川、深川の小名木川辺の川筋には荷足船で人を渡す小さな渡場が幾個所もある。
鉄道の便宜は近世に生れたわれわれの感情から全く羈旅とよぶ純朴なる悲哀の詩情を奪去った如く、橋梁はまた遠からず近世の都市より渡船なる古めかしい緩かな情趣を取除いてしまうであろう。今日世界の都会中渡船なる古雅の趣を保存している処は日本の東京のみではあるまいか。米国の都市には汽車を渡す大仕掛けの渡船があるけれど、竹屋の渡しの如く、河水に洗出された木目の美しい木造りの船、樫の艪、竹の棹を以てする絵の如き渡船はない。私は向島の三囲や白髯に新しく橋梁の出来る事を決して悲しむ者ではない。私は唯両国橋の有無にかかわらずその上下に今なお渡場が残されてある如く隅田川その他の川筋にいつまでも昔のままの渡船のあらん事を希うのである。
橋を渡る時欄干の左右からひろびろした水の流れを見る事を喜ぶものは、更に岸を下って水上に浮び鴎と共にゆるやかな波に揺られつつ向の岸に達する渡船の愉快を容易に了解する事が出来るであろう。