일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

また落掛るように斜に生えた樹木の幹と枝と殊に根の形なぞに絵画的興趣を覚えさせることが多いからである。もし樹木も雑草も何も生えていないとすれば、東京市中の崖は切立った赤土の夕日を浴びる時なぞ宛然堡塁を望むが如き悲壮の観を示す。

昔から市内の崖には別にこれという名前のついた処は一つもなかったようである。『紫の一本』その他の書にも、窪、谷なぞいう分類はあるが崖という一章は設けられていない。しかし高低の甚しい東京の地勢から考えて、崖は昔も今も変りなく市中の諸処に聳えていたに相違ない。

上野から道灌山飛鳥山へかけての高地の側面は崖の中で最も偉大なものであろう。神田川を限るお茶の水の絶壁は元より小赤壁の名がある位で、崖の最も絵画的なる実例とすべきものである。

小石川春日町から柳町指ヶ谷町へかけての低地から、本郷の高台を見る処々には、電車の開通しない以前、即ち東京市の地勢と風景とがまだ今日ほどに破壊されない頃には、樹や草の生茂った崖が現れていた。根津の低地から弥生ヶ岡と千駄木の高地を仰げばここもまた絶壁である。絶壁の頂に添うて、根津権現の方から団子坂の上へと通ずる一条の路がある。