후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
と見れば、わたくしの立っている土手のすぐ下には、古板で囲った小屋が二、三軒あって、スエータをきた男が裸馬に飼葉を与えている。その側には朝鮮人の女が物を洗っている。わたくしは鉄道線路を越しながら、このあたりの光景を名づけて何というべきものかと考えた。かつて何もなかった処であるから、荒廃でもなく破壊でもない。放棄せられたまま顧みられない風景とでもいうのであろう……。
セメントの新道路は鉄道線路の向へ行っても、まだ行先が知れない。初めわたくしはほどなく荒川放水路の土手に達するつもりであったので、少し疲労を覚えると共に、俄に方角が知りたくなった。丁度道の片側に汚い長屋建の小家のつづきはじめたのを見て、その方の小路へ曲ると、忽ち電車の線路に行当った。通りがかりの人に道を尋ねると、左へ行けばやがて境川、右へ行けば直ぐに稲荷前の停留場へ出るのだというのである。
わたくしはこの辺の地理には明くない。三十幾年のむかし、洲崎の遊里に留連したころ、大門前から堀割に沿うて東の方へ行くとすぐに砂村の海辺に出るのだという事を聞いて、漫歩したことがあったが、今日記憶に残っているのは、蒹葭の唯果も知らず生茂った間から白帆と鴎の飛ぶのを見た景色ばかりである。