후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
東京の人が梅見という事を忘れなかったむかしの世のさまがつくづく思い返された故である。それは今にして思返すと全く遠い昔の事である。明治の末、わたくしが西洋から帰って来た頃には梅花は既に世人の興を牽くべき力がなかった。向嶋の百花園などへ行っても梅は大方枯れていた。向嶋のみならず、新宿、角筈、池上、小向井などにあった梅園も皆閉され、その中には瓦斯タンクになっていた処もあった。樹木にも定った年齢があるらしく、明治の末から大正へかけて、市中の神社仏閣の境内にあった梅も、大抵枯れ尽したまま、若木を栽培する処はなかった。梅花を見て春の来たのを喜ぶ習慣は年と共に都会の人から失われていたのである。
わたくしが梅花を見てよろこびを感ずる心持は殆ど江戸の俳句に言尽されている。今更ここに其角嵐雪の句を列記して説明するにも及ばぬであろう。わたくしは梅花を見る時、林をなしたひろい眺めよりも、むしろ農家の井戸や垣のほとりに、他の樹木の間から一株二株はなればなれに立っている樹の姿と、その花の点々として咲きかけたのを喜ぶのである。いわゆる竹外の一枝斜なる姿を喜び見るのである。
梅花を見て興を催すには漢文と和歌俳句との素養が必要になって来る。