일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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とうじゅうろうのこい

藤十郎の恋・恩讐の彼方に

菊池 寛

菊池 寛의 藤十郎の恋・恩讐の彼方に(とうじゅうろうのこい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,146자 · 74화면

아오조라 문고

と、云いながら、紫縮緬の小さい袱紗包を出すのでした。染之助と云う役者には、少しも興味のない筈の私も、やっぱり染之助の舞台に、名残が深く惜しまれたためでしょう。無言で黙礼しながら、その袱紗包を貰いました。何か染之助の紋の入った配り物だろう位に、思っていたものです。が、家へ帰って来て、開けますと、中から出たのは、思いがけなく一通の手紙でした。それには、役者とは思われない程の達筆でこまごまとかいた長い文句がありました。もうたしかな事は忘れてしまったが、何でもこのような意味の事が書いてあったのでした。

過ぐる二年あまりの年月の間に、貴女様はその美しい二つのお眸で、私を悩み殺しにしようとなさいました。貴女は私を恋していて下さるのでもなければ、それかと云って憎んでおられるのでもない。ただ長い間、私を弄んでおられたとより外には、考えようもありません。初め、愚な私は貴女が私を恋して下さるものだとばかり思って、どれほど自分自身を幸福な人間だと、考えたことでしょう。私は、見物から、余り喝采も受けませんでしたが、貴女の二つのお眸が、私の動作を、じっと見ていて下さるのだと思うと、千人の見物から喝采せられるよりも、どれほど嬉しかったか知れません。