일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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とうじゅうろうのこい

藤十郎の恋・恩讐の彼方に

菊池 寛

菊池 寛의 藤十郎の恋・恩讐の彼方に(とうじゅうろうのこい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,146자 · 74화면

아오조라 문고

入れ札

上州岩鼻の代官を斬り殺した国定忠次一家の者は、赤城山へ立て籠って、八州の捕方を避けていたが、其処も防ぎきれなくなると、忠次を初、十四五人の乾児は、辛く一方の血路を、斫り開いて、信州路へ落ちて行った。

夜中に利根川を渡った。渋川の橋は、捕方が固めていたので、一里ばかり下流を渡った。水勢が烈しいため、両岸に綱を引いて渡ったが、それでも乾児の一人は、つい手を離したため流されてしまった。

渋川から、伊香保街道に添うて、道もない裏山を、榛名にかかった。一日、一晩で、やっと榛名を越えた。が、榛名を越えてしまうと、直ぐ其処に大戸の御番所があった。

信州へ出るのには、この御番所が、第一の難関であった。この関所をさえ越してしまえば、向うは信濃境まで、山又山が続いているだけであった。

忠次達が、関所へかかったのは、夜の引き明けだった。わずか、五六人しか居ない役人達は、忠次達の勢に怖れたものか、彼等の通行を一言も咎めなかった。

関所を過ぎると、さすがに皆は、ほっと安心した。本街道を避けて、裏山へかかって来るに連れて、夜がしらじらと明けて来た。丁度上州一円に、春蚕が孵化ろうとする春の終の頃であった。