후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
むし
虫
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 虫(むし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,053자 · 86화면
悲しくも既に強直して畳の上に横たわっていた。だが、それは、ある種の禁制の生人形の様で、決して醜くなかったばかりか、寧ろ異様になまめかしくさえ感じられた。
柾木はその時、疲れ切った脳髄を、むごたらしく使役して、奇妙な考えに耽っていた。最初の予定では、たった一度、芙蓉を完全に占有すれば、それで彼の殺人の目的は達するのだから、昨夜の内に、こっそりと、死骸を庭の古井戸の底へ隠してしまう考えであった。それで充分満足する筈であった。ところが、これは彼の非常な考え違いだったことが分って来た。
彼は、魂のない恋人のむくろに、こうまで彼を惹きつける力が潜んでいようとは、想像もしていなかった。死骸であるが故に、却って、生前の彼女にはなかったところの、一種異様の、人外境の魅力があった。むせ返る様な香気の中を、底知れぬ泥沼へ、果てしも知らず沈んで行く気持だった。悪夢の恋であった。地獄の恋であった。それ故に、この世のそれの幾層倍、強烈で、甘美で、物狂わしき恋であった。
彼は最早や芙蓉のなきがらと別れるに忍びなかった。彼女なしには生きて行くことは考えられなかった。この土蔵の厚い壁の中の別世界で、彼女のむくろと二人ぽっちで、いつまでも、不可思議な恋にひたっていたかった。