후리가나로 읽는 일본 고전
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しじみだに
蜆谷
山本 周五郎
山本 周五郎의 蜆谷(しじみだに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,957자 · 28화면
に違いなくってよ」
「おれはおっ母さんとお直を迎えに来たんだ」弥之助はちょっと間をおいてから云った、「母子三人のおちつき場ができたから、そこへいけばどうやら不自由なく暮らしてゆける、関ヶ原くずれなどとも云われずにな」
「そうなさるがいいわ、ここにみれんを残すことはなくってよ弥之さん、あたしだって身軽にさえなったら一日もいやしないわ」お八重はきつく歯をくいしめた、「すぐいっておしまいなさいよ、おばさんだってそのほうが仕合せだわ」
「しかしおれはいかない、おれは蜆谷にいるよ」
お八重はびっくりしたように口をあけた、弥之助は自分の右手をあげ、掌をひらいてじっとみつめながら、重たく沈んだような声でこう云った。
「あの年になったおっ母さんを、いまさら他国へつれてゆくのは可哀そうだ、ここには御先祖の墓もある、お直という女房もいる、おれはこの蜆谷で暮らすよ」
「お直さん」お八重の肩がびくっとひきつるようにみえた、「だってそれ、……それじゃ、あなたは捕まってしまうわ、弥之さん」
「そうかもしれない、しかしそうでないかもしれないよ」
「そうでないかもしれないって、なにか捕まらずにすむ仕方があるんですか」