후리가나로 읽는 일본 고전
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 蜘蛛の夢(くものゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 147,189자 · 298화면
それにつけても父がむかし住んでいた番町の屋敷というのはどんな所であるか、一度は見たいような気もしたので、彼女は暗くなってからそっと覗きに来たのである。
お筆も六つの年までここで育ったのであるが、子供の時のことであるから確かな記憶はない。筋むかいの屋敷にある大銀杏を目あてにして、大かたここであろうと長屋窓の外から覗いているところを、隣りの人に怪しまれて早々にそこを立去ったが、さてこれからの身の処置をどうしていいか、差しあたっては今夜のやどりをどうしていいか、お筆は案じわずらいながら、どこを的ともなしにさまよい歩いているうちに運の悪いときは悪いもので、測らずも溝口医師の車と衝突したのであった。
こういう事情がわかってみると、溝口の家でも彼女を逐い出すに忍びなくなった。溝口にはお道という細君もあり、お蝶という娘もある。ことにお蝶はお筆と一つちがいの十六であるので、おなじ年ごろの子を持つ溝口夫婦の思いやりも深かった。お蝶もひどくお筆の身の上に同情した。そこで、ゆく末は知らず、差しあたりはまずここの家に落ち着いたら好かろうということになって、親類でもなく奉公人でもなく、一種の掛り人としてお筆は溝口家に身を寄せることになったのである。