후리가나로 읽는 일본 고전
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
岡本 かの子의 蝙蝠(こうもり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,107자 · 23화면
周囲には家付のものらしい古絵の屏風や重厚な書棚や、西洋人のかいた油絵がかかっている。その間に皆三の好みらしい現代式の軽快な本箱が挟まっていた。しかし棚の上にはまた物々しい桐の道具箱が、油で煮たような色をして沢山並んでいた。
皆三は、其処で顕微鏡を覗いているか、昆虫の標本をいじってるかしていた。無口だが、人なつこい様子でお涌に向った。額も頬もがっしりしていて、熱情家らしい黒目勝ちの大きい眼が絶えず慄えているように見えた。沈鬱と焦躁が、ときどきこの少年に目立って見えた。
お涌も皆三にむかっていると、あれほど気嵩で散漫だと思う自分がしっとり落付き、こまかく心が行届いて、無我と思えるほど自分には何にも無くなり、ひたすら皆三の身の囲りの面倒を見てやり度くなるのであった。
「だらしがないわ皆三さん。着物の脊筋を、こんなに曲げて着てるってないわ」
「まるで赤ン坊」
お涌は皆三の生活に対する不器用さを見て、いつもこういって笑った。しかし、その赤ん坊が自分にまともにむける眼には、最初皆三に逢った晩に、彼の声が浸みさせたと同様な慈しみがある――お涌はそれに逢うと、柔軟なリズムの線がひとりでに自分の体に生み出され、われとしもなくその線の一つを取上げて、自分の姿をそれに沿える。