후리가나로 읽는 일본 고전
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 豊島与志雄童話集(おつきさまのうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,569자 · 336화면
よく見ると、それは畳半分ほどもある大きな正覚坊でした。
正覚坊だとわかると、平助は初めてあんどしました。いきなり表の戸をしめて、正覚坊を部屋の中に連れて来ました。正覚坊はそこにぐったりとなって、喉元をふくらましながら、はあはあと息をきらしてるらしいのです。
「おい、どうしたんだい」と平助はたずねました。
正覚坊はじっとしています。いくらたずねても黙っています。それもそのはずです、亀に口がきけるわけはありません。平助はそれに気付いて、ひとりで声高く笑い出しました。そしてそれはきっと沖の方から暴風雨に吹きつけられて来たのだろう、と考えました。それで、元気をつけてやるために、徳利の酒を茶碗についで差し出しました。すると、正覚坊はその中に首をつき込んで、きゅーっと一息に飲み干しました。平助はうれしくなりました。縁起がいいと言われてる正覚坊が、向こうから訪ねて来てくれたんですもの、漁夫としてこれくらい愉快なことはありません。平助はすぐに、ありったけのお金で、酒をたくさん買って来ました。そして二人で飲み始めました。正覚坊もだんだん元気になってきまして、しまいには酔っぱらって部屋の中をおかしな格好ではい廻ります。