후리가나로 읽는 일본 고전
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
山本 周五郎의 赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,626자 · 45화면
空は曇って、肌寒い風が吹いていた。長屋の多くは戸を閉め、もれてくる灯も疎らで、歩いていくどぶ板の鳴る音が、おどろくほど高く響いた。五郎吉の家の少し手前までいったとき、登はぞっとしながら立停った。――向うのほうから、まるで現実のものとは思えないような、ひどくくぐもった、ぶきみな声が聞えて来たのである。それは陰気な響きをもって、地面の下のほうから、誰かに呼びかけているように聞えた。
「どうしました」とうしろで声がした。
登は殆んどとびあがりそうになった。それが卯兵衛だということはわかっていながら、とびあがりそうになり、全身が粟立った。
「ああ、あれですか」卯兵衛は向うの声に気がついて、笑いながら云った、「貴方がたは御存じないかもしれませんな、いってみましょう、長屋のかみさん連中ですよ」
卯兵衛が歩きだし、登もついていった。すると井戸端に、提灯を持った女たちが六、七人いて、二人ずつ代る代る、井戸の中へ向かって呼びかけるのであった。
「長坊やーい、長次さんやーい」
ひと言ひと言を長く引いて、ちょうぼうやあーい、というふうに呼ぶのであるが、平常とは違うもの悲しげな、訴えるような哀調を帯びた声で、それが井戸の中にこもった反響を起こすため、眼の前に見えていてさえも、背筋が寒くなるようなぶきみさを感じた。