일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しっぽうのはしら

鏡花短編集

泉 鏡花

泉 鏡花의 鏡花短編集(しっぽうのはしら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,632자 · 32화면

아오조라 문고

」軒は巌を削れる如く、棟広く柱黒き峯の茶屋に、木の根のくりぬきの火鉢を据えて、畳二畳にも余りなん、大熊の皮を敷いた彼方に、出迎えた、むすび髪の色白な若い娘は、唯見ると活けるその熊の背に、片膝して腰を掛けた、奇しき山媛の風情があった。

袖も靡く。……山嵐颯として、白い雲は、その黒髪の肩越に、裏座敷の崖の欄干に掛って、水の落つる如く、千仭の谷へ流れた。

その裏座敷に、二人一組、別に一人、一人は旅商人、二人は官吏らしい旅客がいて憩った。いずれも、柳ヶ瀬から、中の河内越して、武生へ下る途中なのである。

横づけの駕籠を覗いて、親仁が、「お前さま、おだるけりゃ、お茶を取って進ぜますで。」「いいえ出ますから。」

娘が塗盆に茶をのせて、「あの、栃の餅、あがりますか。」「駕籠屋さんたちにもどうぞ。」「はい。」――其処に三人の客にも酒はない。皆栃の実の餅の盆を控えていた。

娘の色の白妙に、折敷の餅は渋ながら、五ツ、茶の花のように咲いた。が、私はやっぱり腹が痛んだ。

勘定の時に、それを言って断った。――「うまくないもののように、皆残して済みません。」ああ、娘は、茶碗を白湯に汲みかえて、熊の胆をくれたのである。