후리가나로 읽는 일본 고전
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ながやてんいちぼう
長屋天一坊
山本 周五郎
山本 周五郎의 長屋天一坊(ながやてんいちぼう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,453자 · 57화면
然るところ驚くべし、伊賀守吉近は式部といって分家に在る頃、側近の侍女の二三を愛した事実があった。
それだけなら驚くには当らない、その二三のうちの一人に猛烈なる嫉妬心と頑強なる飲酒癖をもった者がおり、時にしばしば泥酔して嫉妬のために狂い立ち、主君であり旦那であるところの吉近をば、――この出来損いの唐茄子野郎などと呼び、当の旦那の顔を引掻きちらし、器物を破壊する底の狼藉なる振舞いに及んだ。吉近侯のみならず、係り家来の立場としては、迷惑だったものだろう、が、迷惑にも拘らず吉近侯は彼女を溺愛し、顔中を引掻き傷にされながらも、敢えて屈せず、
――彼女なくてなんの己れが桜哉。
などと脂下った感想を漏らされたとある。やがて彼女は懐妊し、そのため嫉妬と飲酒悪癖は増大に増大、或る夜、吉近侯と未曽有の大格闘を実行したあげく、
――あ、口惜しいこの助平野郎、おらあもう生きちゃあいねえ、大川へ身を投げて死んで呉れる、おっ死んで九代祟って呉れるぞ、いまにほえづらをかくなこの……野郎。
この……なる言語は伝わっておらぬが、彼女はそのまま邸を脱走し、踪跡をくらましたのである。