후리가나로 읽는 일본 고전
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かいかのおっと
開化の良人
芥川 竜之介의 開化の良人(かいかのおっと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,438자 · 32화면
ですからその夜は文字通り一夕の歓を尽した後で、彼の屋敷を辞した時も、大川端の川風に俥上の微醺を吹かせながら、やはり私は彼のために、所謂『愛のある結婚』に成功した事を何度もひそかに祝したのです。
「ところがそれから一月ばかり経って(元より私はその間も、度々彼等夫婦とは往来し合っていたのです。)ある日私が友人のあるドクトルに誘われて、丁度於伝仮名書をやっていた新富座を見物に行きますと、丁度向うの桟敷の中ほどに、三浦の細君が来ているのを見つけました。その頃私は芝居へ行く時は、必ず眼鏡を持って行ったので、勝美夫人もその円い硝子の中に、燃え立つような掛毛氈を前にして、始めて姿を見せたのです。それが薔薇かと思われる花を束髪にさして、地味な色の半襟の上に、白い二重顋を休めていましたが、私がその顔に気がつくと同時に、向うも例の艶しい眼をあげて、軽く目礼を送りました。そこで私も眼鏡を下しながら、その目礼に答えますと、三浦の細君はどうしたのか、また慌てて私の方へ会釈を返すじゃありませんか。しかもその会釈が、前のそれに比べると、遥に恭しいものなのです。私はやっと最初の目礼が私に送られたのではなかったと云う事に気がつきましたから、思わず周囲の高土間を見まわして、その挨拶の相手を物色しました。