후리가나로 읽는 일본 고전
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면
が欲しいような場合には、納入する責任量を超過した分だけ、立売りすることが黙認されていた。そして、他の土地から魚釣りに来て、不漁をかこちながら帰る客や、単純な遊覧帰りの客たちがあると、それはかなりうまい儲けになるのであった。――私は通りかかって、蛤を売っているのをみつけた。大きな、粒の揃ったみごとな蛤で、バターいためにしたらさぞ美味かろうと思い、近よっていって、それを〇五だけ売ってもらいたいと云った。私はもう一年ちかくも住んでおり、かれらともおよそ顔見知り程度になっていたので、心の片隅ではひとかどの土地者であるような誇りを持っていた。そのうえ私のまえに、どこかのかみさんがやはり〇五だけ買ったところ、一斗桝くらいの桶一杯分を渡したのを見ていたから、もし私にもそんなに呉れるようなら、三分の一程度だけ受取ることにしよう、などと、おうようなことさえ考えていたのであるが、それらの予想や期待はあっさりとくつがえされてしまった。
「蒸気河岸の先生だね」とその中年の漁師は私を見あげた眼をすぼめた、「――この蛤を欲しいだかえ」
彼は自分の眼にあらわれる狡猾さと、顔つきが貪欲になるのをごまかすために、自分がいかにも無力な、悲しい男であるかのような表情を作った。