후리가나로 읽는 일본 고전
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면
いまどうしているか、と云おうとしたとき、店の中で網を片づけていた男が、ひょいと私のほうを見上げて答えた。
「長はわたしですよ」
「え、――」と私は息を吸った。
「わたしが長ですよ」とその男はいった。
細おもてに無精髭が少し伸びて、汐やけのした顔に賢そうな眼が光っていた。古タオルで鉢巻をし、仕事着に半長靴をはいていた。これが長太郎か、私は自分の印象にある少年のおもかげを、いま眼の前にいる中年の男の像に重ね合せようとしながら、「蒸気河岸の先生」だが覚えているかと訊いた。
「高品の先生かね」と長が訊き返した。
「いや、高品さんの世話で来たんだ」と私は云った、「あっちの一軒家を借りるまえには、この千本の二階に下宿していたこともあるんだ、君が小学校の二年から三年生ぐらいのときなんだがね」
「さあね」長はあいまいに笑った、「そんなに古いことだとするとな」
「倉なあこはどうしている」
「倉なあこはいるだよ、うん」と云って長は頷いた、「まあおはいんなさい、いまおっ母を呼んでみるだから」
「へえ、まだおばさんがいるのか」
「おやじは死んだけれどおっ母はいんだよ」
長は店の奥へいって、大声に母親を呼んだ。