후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
織田 作之助의 青春の逆説(せいしゅんのぎゃくせつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,593자 · 325화면
いわば耳かきですくうほどの冷静さも残っていなかった。興奮をおそれなくなるほど、興奮していたのである。
「……九十四、九十五、……」
相変らず、いやな声を出していた。
「……九十六、九十七、……」
あと三つで百だと思うと、むしろ情けなかった。百になれば、女の手を握らなくてはならない。この死ぬほどの辛さと来ては、百ぺん失業した方がましだと思うぐらいだった。
だいいち豹一にはついぞこれまでどの女の手を握った経験もない。友人と握手するのさえ照れる男である。それが初対面の女の手をいきなり握ろうというのだから、いってみれば無暴だった。しかも豹一は坐っていて、女は立っている。物かげでこっそり握るというわけにはいかなかった。衆人環視のなかである。たとえどさくさまぎれで握るとしても少くとも二つの眼だけはそれを見逃すまい。挑み掛るようにじっとこちらを睨んでいる二つの眼、――いまさき煙草の銀紙をまるめて投げた男だ。しかし、それよりも豹一がおそれているのは、手を握ろうとして女にはねつけられた場合のことである。
「いやな人!」と、逃げられたら、自尊心を傷つけられた想いに先ず当分は悩まなくてはならない。