후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
織田 作之助의 青春の逆説(せいしゅんのぎゃくせつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,593자 · 325화면
。つまりは、思い掛けぬ銀子への恋情だろうか。それが豹一にふしぎだった。
二十歳の青年が舞台の上の踊子に恋情を感ずるというのは、あるいは極めてありふれたことであるかも知れないが、しかし豹一は案外に勁い心をもっていたためか、たとえば中学生時代女学生の紀代子と夜の天王寺公園を散歩した時も、また、高等学校時代鎰屋のお駒と円山公園を寄り添うて歩いた時も、恋情のひとかけらも感じなかったのである。それをいま情けないことに、ひょんな工合に銀子に恋情を感じたのは、なんとしたわけであろうか。
だが、はっきりと気がつけば、豹一自身いまいましいことにちがいないこの恋情に就ては、細かしく説明しない方が、賢明かも知れない。だから大急ぎで述べることにするが、つまり豹一がふと見た銀子の痛々しく細い足の記憶が、土門の電話口でいきなり生々しく甦って来たせいではなかろうか。そしていうならば、そんな豹一の心の底に、母親と安二郎を結びつけて考えたときのあのちくちくと胸の痛くなる気持が執拗に根をはっていたのである。
豹一は重い心で、窓硝子に顔をすりつけて外をながめた。しとしとと雪が降っていた。