후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしゅん
青春
宮本 百合子
宮本 百合子의 青春(せいしゅん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,799자 · 16화면
祖母の家の裏口の小溝の傍に一本杏の樹があった。花も実もつけない若木であったが柔かい緑玉色の円みを帯びた葉はゆたかに繁っていた。夏の嵐の或る昼間、ひょっと外へ出てその柔かい緑玉色の杏の叢葉が颯と煽られて翻ったとき、私の体を貫いて走った戦慄は何であったろう。驟雨の雨つぶが皮膚を打って流れる。そのこわいうれしさで、わざと濡れに出た。あれはただ一つの冒険の心なのだろうか。官能と精神とが不思議に交錯して、まざまざとした感覚はまざまざとした精神の印象となって、表現の慾望となるのであった。そんな時代、詩は一つもかかないでいきなり小説をかき出したことは面白いと思う。「貧しき人々の群」というような小説そのものがいってみれば一つの散文詩だと、いえばいえるのでもあったろうか。
やはりその田舎の村へ雪のつもった冬に行ったことがあった。夜風が街道を吹きはらっていて、電柱のうなる音がしていた。ふと、その風が遠くの街道からカチューシャのうたをのせて来た。学生らしい歌いっぷり、その声は段々近づいて来て、また次第に遠く消え去った。それは東京で松井須磨子のカチューシャとともにその頃はやりはじめたばかりの歌であった。