후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしゅん
青春
宮本 百合子
宮本 百合子의 青春(せいしゅん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,799자 · 16화면
そこで、心臓が口からとび出しはしまいかと思うほど胸轟かして文房堂から買って来た原稿紙をひろげて、何かを書き出す。そのようにして文学というものが、身に近いものとなって、永年まとまりなく自分を表現するてだてであった音楽がやや遠いものとなって来たのであった。
跣足になって庭を掃いたり、昔風のポンプで水まきしたり、お客様のときは御給仕役もまわって来た。久留米絣の元禄袖の着物に赤いモスリンの半幅帯を貝の口に結んだ跣足の娘の姿は、それなり上野から八時間ほど汽車にのせて北へ行った福島の田舎の祖母の黒光りのする台所へも現われた。
その村は明治に入ってから出来た新開の村で、子供の頃から私がよく行った時分は貧村であった。大きい池が三つ並んでいて、一番池二番池三番池は貯水池となった。菱の花が白く咲く一番池のぐるりは夏草の高く茂った馬場で、夏そこへ寝ころんで夕焼けを見ていると、いつしか体が夏草の中から泛んで七色八色の鱗雲の間をゆるく飛んで行くような気がした。そんな景色と村道の赭土にくっきり車の軌の跡のめりこんだ荒涼とした有様、鶏や馬の間でのいろんな婆さんや爺さんの他愛もない暮しぶりは、心に刻みつける何かをもって印象に迫って来るのであった。