후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 261,216자 · 521화면
「あの小舟を追え、あの小舟を! あれにはたしかに弦之丞が隠れている」
「ウウ、なるほど」
周馬もつりこまれて、橋上にあたふたした。
そこから見ると、今仆れる刹那の前に万吉が、弦之丞様ア――と呼んだ小舟の影、見るまに遠くうねうねと、流れに乗って下ってゆく。
「おお、弦之丞だ、弦之丞だ。お十夜、早くせい」
「あれが? よしッ」
とどめのかわりに周馬とお十夜がまたひと太刀ずつ万吉へ滅茶うちを浴びせた。どこをかすったか、周馬の刀はピクリとしたかれの満顔を紅にしてすてて行った。
「ばかッ。舟の者を追うのに、みんな片岸へばかり駈け出していってどうするんだ」
とお十夜は、一角の尻尾について、同じ川岸へ向った周馬をののしりながら、自分は、原士の四、五人を拉して反対の向う岸へ廻った。
で――一陣の黒風は、橋上からふたつに別れ、広からぬ猫間川を中にはさんで水の行方に添って疾走する。
「あれだ、あれへゆく船だぞ」
「逃がすなよ」
「見のがすな! 今夜こそは」
向う河岸とこっち河岸。
声をかけあわせながら韋駄天と宙を飛ぶ。
駈けるほどに、行くほどに、たちまち小舟に近づいた。けれど――見れば小舟に棹を取る者はなく、たたみあわせた胴の間の苫も、半ばむしり取られている狼藉さ。