일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なるとひちょう

鳴門秘帖

吉川 英治

吉川 英治의 鳴門秘帖(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 56,957자 · 114화면

아오조라 문고

道に任せて歩き、疲れた所を宿として草にも伏そう。と笛袋をさし、天蓋をかぶりかけていると、湯小屋の戸がガタンと動いた。

が、風でも吹き去ったのか、そのまま誰も入ってくる様子はないので、かれは片足立ちになって、わらじの緒を結んでいた。と、またかすかな音が外でする、人の跫音低いささやき……、それは耳に触れる程なものでないにしても、かれの心耳には明らかな空気の動揺を感じられた。

試みに戸へ手をかけて、一、二寸、ズズ……と引いてみると、外からひっそりした夜気がスーと流れこんでくるだけで、格別なこともないが、なにか、一脈の殺気が弦之丞の面を打ってくるように思われる。もっとも、かれには、最前ここをあけた男が、妙にそそくさと戻って行った不審もあったところだが……。

「はてな、これはおかしい」と気づいたので、かれは湯小屋の羽目へ背中を貼りつけたまま、サッと不意に引き開くと、それを待ちかまえていたらしい者が、ふいに躍りこんでくるなり、白刃をふって湯けむりの空を斬った。

さてはと、足をあげて弦之丞、その男の腰とおぼしい所を蹴って放す。

ドボーンと湯槽の中に湯の飛沫が立った。