후리가나로 읽는 일본 고전
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がこせんにん
鵞湖仙人
国枝 史郎
国枝 史郎의 鵞湖仙人(がこせんにん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,555자 · 22화면
侍は其方へ眼をやった。
と、眼下の湖水の中に、老人が一人立泳ぎをしていた。
寒い季節の水泳! まあこれは可いとしても、その老人が打ち見た所、八十か九十か見当が付かない。そんな老齢な老人が、泳いでいるに至っては、鳥渡びっくりせざるを得ない。
「信州人は我慢強いというが、いや何うも実に偉いものだ」
侍は感心してじっと見入った。
ところが老人の泳ぎ方であるが、洵に奇態なものであった。
水府流にしても小堀流にしても、一伝流にしても大和流にしても、立泳ぎといえば大方は、乳から上を出すものである。それ以上は出せないものである。にも関らず老人は腰から上を出していた。で、まるで水の上を、歩いているように見えるのである。
侍はホトホト感心した。
「だが一体何流かしらん? こんな泳ぎ方ははじめてだ、まことに以て珍らしい」
だが侍の驚きは、間も無く一層度を加えた。と云うのは老人が、愈々でて愈々珍らしい、不思議な泳ぎ方をしたからであった。
老人はズンズン泳いで行った。湖心に進むに従って、形が小さくなる筈を、反対にダンダン大きくなった。しかし是は当然であった。老人は泳ぐに従って、益々体を水から抜き出し、二町あまりも行った頃には、文字通り水上へ立って了ったのである。